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エンジニア兼プロデューサーがWebサービス制作について考えるブログ

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Webサービスや機能を"人の欲求"から考える方法

あるテーマについて、人の欲求を組み合わせることでWebサービスや機能を考えることができる。

企画の場面でよく用いられる方法だとは思いますが、僕なりの方法について書くので参考にしてみてください。

欲求について

人の欲求に関する理論はいくつかあるが、代表的なものとしてマズローの欲求がある。

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マズローの欲求とは、簡単に言うと図における"下層が満たされると上層へ向かう"、というもの。 (必ずしも"下層が満たされなければ上層の欲求が生じない"という訳ではない)

このうち、Webサービスについては下層2つ──生理的欲求安全の欲求は満たされている状態で利用される、と考えても良いだろう。

つまり、上層3つ──親和の欲求自我の欲求、そして自己実現を満たすものをユーザは潜在的に求めている。 これら欲求を満たすWebサービスや機能を考えれば良いことになる。

それぞれについて簡単に説明する。

親和の欲求

他の誰かに受け入れられたり、集団に帰属したいという欲求。 帰属意識

自我の欲求

他の誰かから認められたいという欲求。 自己顕示欲

自己実現

自己の成長を図りたいという欲求。

Webサービスや機能の考え方

上記の欲求に、あるテーマを組み合わせることでWebサービスや機能を考えることができる。

この考え方として、

テーマ欲求を組み合わせると、どのようなサービス/機能が考えられるか?

をブレストするだけで、多くのアイデアを出すことができる。

例えば、地域というテーマでWebサービスを考える場合。 親和の欲求(帰属意識)と組み合わせることで、地域別にカテゴライズされた掲示板サービスが考えられる。

あるいは、カードゲームというテーマで機能を考える場合。 自我の欲求(自己顕示欲)と組み合わせることで、ゲームの成績に応じたランキングシステムが考えられる。

既存サービスにおける組み合わせの例

既存のWebサービスがどのような組み合わせなのか、僕なりの考えを以下に例を示します。

例1:友達 × 親和の欲求 = mixi

友達同士のつながりに帰属意識をどう持たせるか、というものを追求したのがmixiというサービスではないかと思う。

mixiには、帰属意識を持たせるための機能としてコミュニティがある。 これは、「このコミュニティに自分も所属したい」という、コミュニティに対しての帰属意識により成り立っている部分が大きいと思う。

足跡機能やイイネボタンも帰属意識に帰結する機能だと考えられると思う。

例2:知り合い × 自我の欲求 = Facebook

Facebookは、もちろん帰属意識という面も含んでいると思うが、それより自己顕示欲を満たせるサービスだと思う。

例えば、友達の数やプロフィールの経歴といった要素はある意味で自己顕示欲を満たす場と言えるだろう。

また、Facebookの持つリアルグラフ上では、投稿内容がユーザの承認欲求に基づくものであることが多いと思う。

Facebookは自我の欲求を満たせるサービスであると言える。

おわりに

以上のように、テーマと欲求を組み合わせることで、Webサービスや機能を考えることができる。

ここで説明したマズローの欲求は一例であり、他には例えば以下のようなマレーの欲求なるものも存在する。

人が本質的に求めるものを理解すれば、あとはそれを具現化するだけなので、サービスや機能も考えやすくなると思う。